息子の英会話スクールの話 ３

めんどくさいなあ。

そんな声が飛び交うこの季節。

本来ならば新生活の始まりに心躍るはずだが、

なぜだろうか。

きっと1世帯に1めんどくさい

が、発せられているであろう…

何故？

あれだよあれ。

何かを始めるときに、

必ず必要になってくる

これらを提出しないと、

入れるものも入れない。

「入校手続き」

が、この季節は

何かしらあるからである。

そう、まさに、

英会話スクールの入校手続きという、

めんどくさいの形容詞ともいえる

書類の提出期日目前という難題が

私に降りかかって来ているのだ。

ちなみに、用紙は

２枚だ。

時間で言ったら

約3分で仕上がる。

畜生。

なんでこんなに面倒なんだ。

私は、やる気スイッチを入れて

ペンを走らせた。

書道家の書き初めくらいの

筆さばきでスラスラと書きすすめた。

2分経過。

指の疲労感は皆無。

調子がいいようだ。

よし。

あとは、口座振替用紙を

やっつけるだけだ。

1分あれば余裕の代物。

こちらも見事な筆さばきで

最後の文字を書き終えた。

あとは印鑑を押すだけだ。

ふと目に入った

注意事項には、

印鑑が擦れてしまった場合には、

捨て印を押して下さい。

と、書かれてあった。

待て待て。

印鑑だろう？

なめてもらっちゃ困るよ。

私は印鑑を手にとり、

朱肉に程良い圧力をかけた。

そして、絶妙な力加減で捺印した。

決まった…。

じわぁ〜。

すると思いがけず

朱肉が滲んだ。

読めない程滲んだ。

一種の家紋に見えるくらい滲んだ。

すかさず捨て印を捺印。

じわぁ〜。

再び現れた家紋。

3度目の正直！

じゅわわぁ〜。

こんにちは家紋。

くそう！！

どうやら、

絶妙な力加減の捺印ですら

拭きれない程の、

とんでもなく使えない

朱肉を使用してしまったらしい。

そこら辺の100円均一で買った

印鑑ケースについている

思いがけないほど水分多めの朱肉だ。

たかが朱肉。されど朱肉。

一か八か…

このまま提出してみるか。(あほ)

そして私は、

英会話スクールへと向かった。

私は

滲んだ捺印を見せながら、

これは、通らないですよ、、ね？

期待を込めて、

間を開けた　ね？　を

乱用してみた。

少々お待ち下さいね。

一旦事務所に通された

滲んだ捺印書類。

審査を待つ私。

ドアが全開の事務所から聞こえてくる

あー押し直しだね〜。

の声。

分かりきっていた結末だった為

すんなり受け入れられた。

これしかなかったんだ。

ごめんよ。先生。。

そして

先生が事務所から出てきた。

事務所から出てきた先生の手には、

滲んだ捺印書類とともに、

綺麗な朱肉が握られていた。

先生ーーーーーーーーーーーーーー！！！！

この英会話スクールを

選んで良かった瞬間である。

そんな最近